回復ストーリー:松原親子
- alice
- 2024年10月14日
- 読了時間: 3分
神経性やせ症は「拒食症」という名前で世の中に広まっている病気です。大変複雑な病気ですが、短く言えば、食事をセーブしていたつもりが、脳がどんどん飢餓状態になっていき、「食べられなくなる」病気です。私は小学校6年生の時にこの病気にかかってしまい、命が危なくなってしまったことがあります。でも家族療法(FBT)という日本にはあまり知られていない治療を行い、1年後にはほとんど普通の生活ができるまでに回復しました。
この病気になる原因は様々です。明確な原因がある人もいれば、いろいろなことが重なり合ってなる人もいるそうですが、多くの場合、ダイエットがきっかけになっているようです。私の場合、姉が一人いるのですが、その姉は足が長く顔が小さい、いわゆるスタイルが良いといわれる体型で、親戚からもよく褒められていました。でも私は褒められたこともなく、やせれば姉に似てみんなに褒められたり、他人に認められることが増えるのではないかと考えるようになり、食事の量を少なくしたり、運動をたくさんしたりするようになりました。そして周りからも「やせたね。」とか、「お姉ちゃんに似てキレイになったね。」などと言われるようになりました。みんなに褒められてうれしかったはずなのに、どんどん我慢することも増えていって、すごく苦しかったです。
このような想いをしたことのある若い女の子は、私以外にもたくさんいます。世の中の人は無責任に他人の体型や容姿を評価します。それは相手を傷つけたかったり、傷つけるつもりがなく、なんとなく言ったりした言葉も同じだと思います。思春期の女の子は、特に周りと比べたり、自分に対して劣等感を感じることが多いです。憧れたりする人がいるのは良いことだと思います。だけど、その人と自分は違う人間であり、それぞれの良さや、自分らしさがあることを忘れないでほしいです。ここで私が思う自分らしさとは、他人に流されることなく、自分の道の流れを、自分の力でよい方向に持っていけることだと思います。私は今でも姉に憧れているし、尊敬しています。だけど、今の気持ちは前とは少し違います。憧れている存在だけど、姉は私とは違う生き物だし、姉とは違うからこそ私には私だけのものがあると頭の片隅に置いて物事を考えることにしました。そうすると気持ちが楽になります。
また、人と話している時などに、人の体型についてとやかく言わないようにしてほしいと思います。太っただけでなく、やせたなどの言葉もです。自分が言われてうれしいことが相手もうれしいとは限りません。その軽はずみな一言で命が危うくなる女の子が増えてしまうかもしれません。また、気にしない、無視するスキルを身に着けるとすごく生きやすくなります。自分が気にしていても他人はそう簡単に変わらないし、気にしてくれないです。だから、何か傷ついたときに、「人は人。私は私。」と思ってその言葉を聞き流してうまくメンタルを保ってほしいです。
自分の体と心は本当に大切です。元気がないと何もできません。健康に毎日過ごすために、自分らしさを大切にすることと、気にしない心を身に着けて、世の中の女の子が健康でいられることを願います。
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